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| 2016.07.25 Monday | | - | author : スポンサードリンク |

TVCMの価値低下とその流れを見直してみる。

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野村総合研究所(NRI)が5月31日に「テレビCMの価値が低下している」との調査レポートを公表した。
ブロードバンドの普及でインターネット利用に人が流れていったのと、HDR(ハードディスク・レコーダー)によって、CMがスキップされているので、CMの価値が低下している。今後さらに低下するだろう。とされている。

CNET Japanの「テレビCMの価値が奈落の底--ネットとHDDレコーダーで加速」という記事でも、レポートの内容を掻い摘んで紹介している。

ところがこれらを読むと、影響範囲の設定にどうも物足りない感じがする。

テレビCMの価値が低下した問題はつまるところ、コンテンツ制作者に誰がギャラを払うかにも多大な影響を及ぼす。
広告価値がないとなると、スポンサーは撤収してしまい、制作費が取れなくなくなるからだ。
だから、広告は今後どうするかと同時に、コンテンツ制作者は如何にして飯の種をつないでいくかも、併せて検討すべき対象になるわけだ。

あとレポートの内に「今後は消費者の個人的志向を意識した広告・宣伝形態へ」という部分があるけれど、これまでやられているSP戦略やカスタマーマネジメントの類を強化すると考えるなら、それは間違いというもの。
個別撃破目的のSPは、マス広告みたいに世の中を覆うような真似は得意ではない。
新しい視聴スタイルにマッチする形で、新しい広告というより、企業と消費者の関係を取り持つ方法を作る必要がある。

ここでは、CM価値変化の原因について、すこし補足しながら考え、
変化の先にある世界を思い描いてみて、
そのとき必要なこと、できることを順にあげてみる。



●CMの価値の変化について考えてみよう。

CMスキップ常態化によりCM価値は下落傾向
PCインターネットの利用時間、64%の人が「増えた」
となっている。
これで原因をすべて言えてるのかなあ。
なんだかあっさりしてるので、すこし言葉を足してみる。

・録りだめしておいて、好きなときに見る。
そして、CMスキップが容易にできるため、「好きなものを好きなとき見る」視聴スタイルが定着する。
そのため、放送局がCMを挟んで押し出したコンテンツが、放送局・スポンサーの望まぬ形に編集されてしまう。
送信側がコマーシャルをコントロールできなくなってしまった。

・いまはHDDレコーダーを持っていなくても、Podcastingなどの経験により、
好きなものだけHDに溜めて、好きなときに視聴するスタイルは浸透していくだろう。

・これまでコンテンツを入手するルートが、放送、個人的録画、レンタルであったのが、
自主的なネット公開やファイル交換などの選択肢が増え、かつブロードバンドの普及により劣化度合いが軽減された。

・潜在的に消費者は、CMというかプロモーションに抵抗感を抱いていた。そこにそれらの介在しないルートが増えたことで、CM等のないルートを選ぶようになった。

・自分好みの視聴ライブラリが手元に出来ているユーザーが、テレビで番組をザッピングする場合、視聴を決める基準は、
「今あるものより下らないものは、視聴する時間が惜しい」との動機から、
ライブラリが無いときに比べ厳しくなる(かもしれない)。
ゆえに視聴者に切り捨てられる番組が増える。

付け足して見ると、コンテンツのコントロールが消費者側に大きく移っているのが分かる。



●では、消費者がコントロールを握るとなるとどうなるか。

放送もネットも同じように並べて想像してみる。

様々なコンテンツが、テレビとセットのHDRやパソコンのHDに溜められ、ライブラリに加えてもらうことを目指して、プッシュアウトされる。
メジャーどころが作るコンテンツでも、一般人が撮った映像でも、面白いものや興味に適うものは、コレクトされていく。

現実にある動きとしては、「P2PでiPodなどにテレビ番組を配信する非営利団体設立」とか「ニッチ市場に狙いを定めるビデオダウンロードサービスが米で登場」というふうに流通コンテンツの多様化をもたらす動きがある。

また、面白いと思うものは人それぞれだから、ある人から見れば本当に面白いものがあれば、くだらなく思えるものも混在した、現在のネットのような状態になるだろう。
となると、たくさんのコンテンツを集中させたがるのだが、探しやすくするため検索ワードや関連キーワードでソートしたり、クラスタ化する必要がでてくる。

そうしてある程度整えられたリストは、テレビの番組表がGoogleの検索結果でできているような形になるのだろうか。
ワード検索型かも知れないし、すこし絞り込んだら画像検索のようにイメージが並ぶかも。
このあたり、実はflickrが公開範囲指定や、タグ分類なども備えて動画対応してくれるのが現実化としては最短なような気がする。
ダウンロードに際しては、GnutellaタイプのP2Pシステムでコンテンツキャッシュを扱うようにするのかな?前出のP2P配信ネットワークは「Kontiki」を使っている。

ちょっと話がそれたが、そこには、放送局や映像製作会社のコンテンツも、シロートのコンテンツも、メジャーも、マイナーも一様に並ぶ。もしかすると、ゲームも並んじゃうかもしれない。
利用者がそのときに利用したいものを選べるわけだ。
フリー視聴の番組もあれば、ペイパービューの番組もありで、これらは見るたびに決済される。

さて、見たいもんが探せば出てくるほど潤沢というのは、量と質があればこそ。
充実させるためには、コンテンツをアップしたものに適宜ギャラが入ることが重要だ。



●課題はコンテンツの視聴料をだれが、どのように負担するか。

切込隊長氏によれば、シリーズもののドキュメンタリーやドラマなどを放送後DVDボックスなどで売って稼ぐ方法も、HDRを利用した視聴によって、かなり痛いことになってるらしい。
とすれば、なるべく有料視聴で回収しておきたくなるんだろうな。

ここで、ちょっと利用者の目線から語ろうか。
本でもビデオでも、ほしいなと思う気持ちには、欲しさの度合いというものがある。
「関連のグッズを含めて、全てを自分の手元において置きたい」ということもあれば、「一度やってみたいけど、買いたいほどじゃない」とか「どんなモンだろうと気になってた写真集。漫画喫茶で見たら、もういいやって気分になった」てな場合もある。

それに対して、コンテンツはフルパッケージを買い取りでというケースが圧倒的に多い。
レンタルは別の事業体にアウトソースだ。
う〜ん。
単価の高いフルパッケージで売りたい気持ちは良く分かる。分かるんだが消費者のほうはそんなに盛り上がってなくて、割高に感じ、「やっぱりやめた。レンタルでいいや」となってしまう。
この背景には、コンテンツが納得できる価値を有しているか、その信頼が無いことが挙げられる。経験上、表紙やタイトルにグッと来て買ったものの、中身はお粗末でガックリということが誰にでもあろう。本当に価格に見合った価値があるのかとの疑惑が常にあって、拭い去れないのだ。

だったら、所有したい気持ちに合わせて、データだけを期限付き視聴可能で提供するとか、ほんとに望むひとにはフルパッケージを販売するとか、商品提供のバリエーションを増やすってのは、ありな気がする。

まず、有料視聴コンテンツも購入しやすくする工夫が大切だ。



●あと、広告は?

有料視聴となったコンテンツのスポンサードの方法に鍵があるんじゃないか。

これまでのように、コンテンツ制作費を製作サイドに渡す方法もあれば、消費者の視聴コストを肩代わりしてあげる方法もあろう。
野村総合研究所のレポートにもあるが、ポイントサービスを軸に例えばイベントに来場してくれた顧客にメリット提供するやり方だ。SP的アプローチ。

ほかにも、P2Pの場合、ネットワーク上にキャッシュが多くあるとダウンロードされやすいことから、リーチやトライアルの向上を狙う際にコンテンツのキャッシュをPCに置いてもらうことでダウンロード効率をあげる方法がある。ユーザーにはポイントを返しても良いし、視聴料を割り引いてもいい。
これは、お金以外の協力をいただいて、広告や運営を助けてもらうやり方。

んー。
しかし、29man氏のいうところの「ドッカーン!」と絨毯爆撃する手段。TVCMが左前になるとしたら、何によって代替できるんだろう。
ちょっと思いつかないんだけど、とりあえず宇宙空間に巨大派手派手看板を設置することは駄目になるらしい。







■参考にさせていただいた記事

▼野村総合研究所:
企業の広告・宣伝手法は、マスメディアから個別対応のITメディアへ

▼CNET Japan:
テレビCMの価値が奈落の底--ネットとHDDレコーダーで加速

▼Hardcoded:
HDD レコーダは TVCM に大損失をもたらすか?
↑ネットユーザーの影響力は、まだそこまでのもんじゃないのでは?との目線から
TV から流れる CM の効果はけして小さくはないはずですとおっしゃる。
そうでしょうね。すぐに取って代われるメディアは思いつきませんから。

▼29man the radical dubber:
ハードディスクレコーダーによるTVCM損失額は540億円
↑TVCMの担っている役割をかわるものはなにか。
SP戦略強化だけでは足らないとの指摘、非常に同意。
ほんとに爆発的な認知はどうしたモンでしょうかね。

▼WebDog:
HDレコーダーのCMスキップによる損失などについて

DRMとソーシャルソフトウェアとiPod動画対応という妄想
↑すごく共感。というか水面下では発表まで秒読みという気配も感じます。
僕のなかで、いまもっとも関心のある話題。

▼切込隊長BLOG(ブログ)〜俺様キングダム〜:
IP放送とウェブ広告とテレビ事業と情報家電と広告代理店
↑コンテンツの費用をどう確保するかも配慮しなきゃねという目線をいただいた。
もはや2次販売すらも干上がっているのが痛い。

▼CNET Japan:
ニッチ市場に狙いを定めるビデオダウンロードサービスが米で登場
↑「自分が見たいものを流す。顧客は俺自身。」という動機。
僕の見たいもんがないなあ、ならば自分で作るしかないか。というのは共感できる。

▼INTERNET Watch:
P2PでiPodなどにテレビ番組を配信〜Netscape創業者が非営利団体設立
↑配信コスト無料で送信できる仕組み。心意気が素晴らしい。
また、著作権管理システムがあるため自分のコンテンツの権利が侵害されることがなく、将来的にはコンテンツに対する課金の仕組みも導入される予定とのこと。

▼P2Pとは何か?〜基礎から研究紹介まで〜:
P2Pの起爆剤〜NapsterとGnutella〜
↑ダウンロードに際して考えるときに参考にしました。

▼excite 世界ビックリニュース:
宇宙空間での広告禁止 法令化への動き
↑これにより高高度に浮かぶ看板は作れないことを知って広告って嫌われ者なんだね。と改めて思う。
嗚呼、広告。こんなやつに誰がした。

| 2005.06.04 Saturday | 04:07 | コンテンツ配信 | author : チチ |

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| 2016.07.25 Monday | 04:07 | - | author : スポンサードリンク |
チチさんの記事読んで、P2Pもしっかりウォッチしていかないと!って思いました。勉強になりました。
| 29man | 2005/06/04 4:00 PM |
>29manさん
一度の訴求で広範囲に広がる手段、ほんとにこれからテーマですね。
あたらしいネットワークの主流が見えると、テレビのような効果を期待できる手法が確立されるかもしれません。
P2P事情などジェットさんも交えて意見交換できると面白いですね。
| ミズタマのチチ | 2005/06/04 7:22 PM |
今年はガチガチにDRM噛ませたP2Pウェアで各社参入し始める時期ですね。通常のコンテンツ配信と比較して、自前のネットワークリソースを消費しないので配信側のメリットは大きいです。コンテンツの質とDRMのユルさ如何で勝者が自ずと決まるでしょう。あと、狙いとしては「共有」したいというユーザーの意識にコミットしていけると成功に近付けるのではないかなと。
| ジェット☆ダイスケ | 2005/06/05 1:33 AM |
そのドカーンという世界が突然なくなるわけでなく、じわじわと広告効果の劣化が進行していく。しかし、それに代替する決定的なメディアやマーケティングがないという状況がしばらくは続くと思います。
商品やサービスによっては、顧客管理の強化と1to1マーケティングへとウェイトをシフトしていくのでしょうが、世の中の変化は教科書的に進まないので、きっと新しいビジネスチャンスがでてくるのでしょうね。
| 大西宏 | 2005/06/05 2:09 AM |
>ジェット☆ダイスケさん
やっぱり、配信はP2Pですか。
その環境で、DRMがどんな形で成されるのか、興味深いですね。
業界団体保護にあまりにも偏ったものだと萎えますが、Winnyの一人勝ちみたいな世界もどうかとおもいますので、コンテンツを製作・提供した側にもメリット還元することが可能なものに行き着いて欲しいです。

そして、ジェットさんが「狙いとしては「共有」したいというユーザーの意識にコミットしていけると成功に近付けるのではないか」
と仰られてますけど、同感ですね。かつ重要な所ですね。

既存のコンテンツの焼き直しが流通するだけでは満足できません。もっと、素人が抱えている、しかしすごく面白いコンテンツがフツフツと出てくるような裾野の広がりとか、盛り上がりが起きると楽しくなりそうです。



>大西宏さん
仰るとおり、今と同様のスタイルのTVCMはしばらく続くでしょう。
そしてその状況の背後で、「実は見ていない、届いていない」ことが周知され、広告効果の予測はどんどん頼りなくなっていきます。

一方で、ブログに登場するGooble Adsやamazonのアフィリエイトを観察すると、「ユーザーが広告を入れたくなる」仕組みは作れるんじゃないかと思われます。
あと、広告の提供できる消費者メリットなどにもできることがあるでしょう。

もしかしたら、今と同じような何かではなく、新しい環境によって生み出される、見た事も無いものが席巻していくのかもしれません。目が離せませんね。
| ミズタマのチチ | 2005/06/06 4:12 PM |









http://kojiru.jugem.cc/trackback/316
新しい広告手法「アドバテイメント」 / ☆ジーコジャパン W杯へ王手☆
 こんばんは。東京は雨が上がって外の空気が気持ち良いです。先ほど車で走ってたんですが、この季節、雨さえ降ってなければ 本当 夜のドライブは快適ですね。音楽と共に。BGMは Nine Inch Nailsの新作「 With Teeth 」  今 テレビではサッカーをやってます。
| ∞最前線 通信 | 2005/06/04 4:32 PM |
CM価値が年間に540億円ふっ飛ぶという試算
テレビ業界はじわじわと押し寄せる時代変化の脅威にさらされてきています。地上波デジタル放送でどれだけ変革できるかということがありますが、ハードディスクレコーダーとインターネットによる脅威がじわじわと現実問題になろうとしてきています。 まず、ハードディス
| 大西 宏のマーケティング・エッセンス | 2005/06/05 1:54 AM |
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ナレッジジャングルで、株式会社野村総合研究所の 〜HDRユーザの過半数がテレビCM80%スキップ、今年の損失総額は約540億円に〜 って記事を読んだ。 そしてもちろんAd Innovatorさんも、この話題。 昨日フンフンと読んでいて、ちょっと深刻な思いになって、自分で
| ニセモノの良心 | 2005/06/05 3:28 AM |
恐るべしHDDレコーダー
野村総研(NRI)の5/31発表の資料ではテレビCMの価値が奈落の底なんだそうです。元のデータはこちら。HDDレコーダー登場時からマーケターの中で危惧されていた事ですが、現実「平均CMスキップ率64.3%」なんて数字になると重いですね。考えてみれば当然の事で、その昔だ
| 猫手企画@新聞屋 | 2005/06/06 7:24 PM |
僕の計算も違うことについての謝罪
NRIごめんNRIごめんNRIごめん! さて、通りすがりさんによるコメントでの指摘により、僕も計算間違いをしていたことに気付いたわけですが。 広告費2兆500億円全てが無駄になる場合を想定すると、 普及率100%×CMスキップ率100%×録画消費率10
| ニセモノの良心 | 2005/06/09 7:49 AM |
野村総研の発表は正しいか?
たまには、仕事に関連してのエントリーもしてみよう。 いや、もしかして、初めてかも
| 余は如何にして道楽達人になりしか | 2005/06/11 12:29 AM |
テレビCMの価値2
前回のエントリでとりあげた野村総研の調査。損失額540億円という結構ショッキングな数字がかなりいい加減な算出方法で出されたものである可能性を地方テレビ局勤務の「ニセモノの良心」さんが指摘している。ココとココとココとココ。今のところ4回シリーズ。「・・
| ホリメモ β版 | 2005/06/12 12:33 AM |
NRIとHDRとCMと
もう1ヶ月ほど前の事ですが、広告業界で物議を醸し出した1つのニュースリリースがありました。野村総合研究所(NRI)がまとめた
| The Public INSIGHT | 2005/07/03 8:32 AM |
価値あるCMって?(前編)
野村総研の挑発的なリリースに始まり、電通の反撃へと発展した「DVDレコーダー普及によるCM飛ばしの影響」についての協議会が設置される見通しです。 設置を提案したのはヌシ協(日本広告主協会)で、民放連(日本民間放送連盟)と日本広告業協会に対して提案したとい
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